あらすじ
「なるほど……つきまとい、ですか」
「はい……」
ここはとある精神クリニック。
話し終えた患者の男は、大きく息を吐き、身じろぎした。そのたびに男が横たわるソファがギシッと軋む。その音に男は過敏に反応し、ビクッと跳ねるようにして上体を起こした。精神科医と目が合うと、気まずそうに視線を逸らし、再び深いため息をついた。神経がかなりすり減っているのが一目でわかる。
「先生、すみません……話してみて、かえって確信が深まりました。やっぱり妄想なんかじゃありません。あの男は実在している……間違いなく……」