あらすじ
「泣かないで。僕は大丈夫だから」
そう伝えようとして伸ばした手は、最愛の恋人の頬をすり抜けた。
会社員の主人公・かえでは、ある日突然、心臓発作で倒れてしまう。
次に目が覚めたとき、そこは季節が巡った冬の街だった。
彼は死んでいた。幽霊となり、誰にも認識されない存在として。
状況を飲み込めないまま、かえでは恋人・あきほの姿を見つける。
しかし、清楚で優しかった彼女は、派手なメイクと露出の多い服を纏い、見知らぬ男と腕を組んで夜の街を歩いていた。
「もう、どうでもいいの……」
投げやりな笑顔。荒んだ生活。
僕がいない間に、君に何があったのか。
どうしてそんなに壊れてしまったのか。
これは、幽霊となった男が、傷ついた恋人を「心」だけで守り抜こうとする、切なくも温かい純愛の物語。