あらすじ
大阪府警の刑事・織部弥生は、不可解な事件に巻き込まれる。
バスの座席に残された“砂の山”、影だけを残して消える人々、
そして空に浮かぶ「もう一つの大阪」。
狂気と天才の狭間にいる科学者・別府博士と、
皮肉屋だが情に厚い息子・瞬と共に調査を進める中で、
弥生は自分が“あちら側の大阪”から連れてこられた存在である可能性に直面する。
22世紀の大阪は、ナノマシンで脳を繋ぎ、
感情を最適化した「究極の共感社会」。
その世界はエネルギー不足に陥り、
1970年万博の“時空の安定”を燃料として吸い上げ始めていた。
やがて現代大阪と未来大阪は重なり、
空は剥がれ、川は逆流し、街は二つの世界に引き裂かれていく。
弥生の前に現れたのは、
自分と同じ顔を持つ“偽織部”。
彼女は22世紀の大阪を守るため、現代を消し去ろうとしていた。
二つの大阪を救うため、
弥生は「自分がどちらの世界に属するのか」という
最も残酷な問いに答えなければならない。
そして迎える最終決断――
弥生は自らを“楔”として未来へ戻り、
現代大阪を守るために姿を消す。