あらすじ
雨宮 澪(あまみや みお)、32歳。
容姿端麗で、どこか冷めた瞳を持つ彼女は、言い寄ってくる男たちを拒まない。
たとえ相手に妻がいようとも。
そこに愛はなく、あるのは底なしの虚無と、身体を重ねるたびに訪れる奇妙な〝安堵感〟だけ。
「私、そんなに激しかった…?」
情事の翌朝、身に覚えのない痣(あざ)と、抜け落ちた記憶の空白に首を傾げる澪。
自分はただの〝男好き〟な女なのか、それとも――。
逃げ場のない日常に溺れかけていた雨の日。
澪は雑踏の中で、高校時代の恋人・玲(れい)と再会する。
かつて少年のような少女だった玲は今、洗練された大人の女性となり、切迫した瞳で澪に告げた。
「まだ、壊れてないわよね? 澪」
玲だけが知っていた。
澪の冷めた瞳の奥に潜む、悲劇から生まれた〝もう一人の人格〟の正体を。
愛に飢えた女と、過去の罪を背負った女。
15年の時を経て、止まっていた歯車が軋(きし)みを上げて動き出す。
切なくて、悲しくて…予測不能なサスペンス・ラブストーリー。