あらすじ
魔王討伐の最終局面。
三魔将の領地を越え、勇者カインと仲間たちは魔王城へと向かっていた。
剣に特化した戦士、殲滅を担う魔法使い、命を繋ぐ僧侶、影を歩く盗賊。
それぞれが己の役割を極める中、勇者カインは剣も魔法も回復も、すべてを平均以上にこなす万能型だった。
だが彼は思う。
自分は、このパーティで最も代わりの利く存在ではないかと。
一方で仲間たちは、誰にも言えない感情を抱いていた。
特化するがゆえに脆い自分たちと違い、あらゆる状況に対応できる勇者を、羨ましく、頼もしく思っていたのだ。
すれ違う認識のまま、パーティは魔王の待つ場所へ踏み込む。
そこで彼らを待ち受けるものが、戦いだけだとは限らなかった。