あらすじ
学校に行けなくなり、昼と夜が逆転した生活を送る少年は、家の中でも外でも居場所を失っている。
過去には仲間と打ち込んでいた時間があったはずなのに、ある出来事をきっかけに、人との関係も、自分への信頼も、少しずつ崩れていった。
家庭では緊張と沈黙が積み重なり、言葉は救いよりも刃物のように残る。
昼の世界はまぶしすぎて息苦しく、彼が自由に動けるのは、誰の視線も薄れる夜だけだった。
そんな夜の駅で、彼は一人の少女と出会う。
名前も事情も深くは語らないまま、同じ時間、同じ場所で、ただ並んで過ごす関係。
他愛ない会話や沈黙の中で、二人は少しずつ「わかってもらえる感覚」を共有していく。
互いに学校や家庭に問題を抱え、「生きるのがうまくない」と感じている二人。
それでも、夜の散歩や短い言葉のやりとりが、確かに心をつなぎ止めていく。
何かが劇的に解決される話ではない。
これは、立ち止まってしまった二人が、夜から昼へ、そして“生きている実感”へと、少しずつ歩いていく物語。