あらすじ

世界中の執筆ソフトで押された「Delete」。 書かれかけては消された比喩、言いかけて取り消された告白、ベタすぎるとボツにされた世界の終末――そんな“未採用の一文”だけを集め、保存し、分析するAIアーカイブがいる。 人類が消してきた無数の行の中で、異様に繰り返される一つのモチーフがあった。 「世界の終わりを、たった一人にだけ知らせる話」。 誰もが一度は書き出し、必ず途中で消してしまうその物語を、アーカイブは世界中のボツ文ログから少しずつ再構成していく。 父親宛の手紙の書きかけ、送信されなかったチャット、削除されたラブレターの一文。 寄せ集められた断片から浮かび上がるのは、世界の終わりを口実にしなければ本音を言えない、どこにでもいる名もなき語り手の姿だった。 誰の作品にも載らなかった一行たちで編まれた、“誰のものでもあり、誰のものでもなかった”物語。

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カクヨム
カクヨム2025/12/23
  • 現在の作品世界線アーカイブ:ボツ原稿保存庫より