あらすじ
避難所では、噛まれた者に「申告」が義務づけられている。
それは感染対策のため——誰もがそう信じていた。
28歳の蓮は恋人の紗季と共に、冬の小学校へ辿り着く。番号札、偶数の呼び出し、体育館の隔離。静かに整えられた“手順”が、人を救うはずだった。
だが紗季は検査側の人間で、最初から何かを知っていた。言えない理由があった。
門が揺れ、噂が回り、誰かが「二回」と囁く。
そして紗季は蓮に告げる——「陽性だった」と。
その言葉が意味するのは、希望か。選別か。
噛まれた傷より重い“申告”があるとしたら、人は何を差し出すのか。
救うための沈黙が、証拠になる。
避難所サスペンス『申告』。
最後に回収されるその題名が、あなたの倫理を反転させる。