あらすじ
「死んでたまるか。――あがいて、あがき抜いてやる」
平凡な高校生・稲沢拓斗が目を覚ますと、そこは空を巨大な葉が覆いつくす、未知の原生林だった。 昨夜、自室のベッドで眠りについたはずの彼は、なぜか学校の制服姿のまま、異形の怪物たちが跋扈(ばっこ)する弱肉強食の世界へと放り出されてしまう。
突如現れた、無数の足を持つ巨大な蛇。 サバイバル知識も道具もない拓斗は、泥水をすすり、爪を剥がしながらも、剥き出しの生存本能だけで死神の顎(あぎと)を振り払う。
身長160cmの小柄な体躯に宿るのは、外見に似つかわしくない男らしく低い声と、不屈の闘志。 ボロボロになったブレザーを纏い、拓斗は決意する。
必ず、この地獄の先にある「人里」へ辿り着くこと。 そして、自分から平穏な日常を奪い、この森へ放り出した黒幕を突き止めること。
頼れるのは己の身一つ。 絶望の深淵で幕を開ける、一人の少年の命を懸けた、泥臭くも鮮烈な原生林サバイバル。 その「あがき」の果てに、彼が掴み取る真実とは――。