あらすじ
探し求めた伝説の「箱」の中にいたのは、一人の少女だった。
世界の三割が「邪(じゃ)」に蝕まれ、異形の死者が彷徨う絶望の大地。 故郷を奪われた青年アザナは、世界を浄化する唯一の希望、伝説の遺物「アンドラの箱」を追い続けていた。
長い調査の末、ようやく辿り着いた古代遺跡の最奥。 棺を開けるとアザナの前に現れたのは、目も眩む財宝でも古めかしい箱でもなく――寝ぼけ眼で欠伸をする、記憶喪失の少女・インだった。
「……なんか、めっちゃ寝てたかも……」
伝説の「箱」の中にいたのは、悲壮感を感じさせないほど、真っ直ぐな瞳をした謎の少女。 現実主義の探索者と、自身の正体すら知らない少女。 一筋縄ではいかない二人の旅が、世界の運命を静かに変え始める。