あらすじ
武力を持たない中立国家・ノクスヴァイ王国。
その宰務局で外交官補佐を務めるリラ・ヴェルノアは、
国同士の利害を調整し、均衡を保つことを仕事としていた。
ある日、城下町で起きた事故をきっかけに、
リラは“時間の流れを操作できる力”に目覚める。
引き延ばされる一瞬。
止まった世界の中で動ける自分。
救える命。
その力を正しく使えば、
この国も、世界も、少しは良くできるかもしれない――
そう信じたリラは、外交の現場で力を使い始める。
だが、思うように発動しない時がある。
守りたいはずのものを、救えない瞬間がある。
そして、取り返しのつかない出来事が起きたとき、
彼女は初めて気づく。
自分が信じていたこの力は、
本当に「時間」を操っているのか。
均衡を保つ国で、
均衡を崩しかねない力を持ってしまったリラは、
やがて世界の秘密と向き合うことになる。
これは、
“選び続けること”を仕事にしてきた彼女が、
最後に下す、たった一つの選択の物語。