あらすじ
引きこもり生活を送っていた36歳の南川六之介は、大地震と津波に巻き込まれ、命を落とした――はずだった。
しかし彼は、異世界キレスタールで目を覚ます。
そこで霊能者の少年クリフに救われ、「ロック」という名を与えられ、半ば強引に霊能者としての修行を始めることになる。
生き延びたことを、ロックは喜べなかった。
「自分は欠陥品だ」「世界の被害者だ!」そんな自己否定を抱えたまま生存してしまったことを、罰のように感じていたからだ。
修行は過酷で、楽な異世界生活とは程遠い。
それでもロックは、決して弟子を見捨てない師匠や、自殺未遂をした少女エレーヌとの出会いを通して、少しずつ“誰かに必要とされる感覚”を知っていく。
やがて彼の前に持ち込まれるのは、「五十年間、子供が生まれていない村」という高難度の依頼。
逃げれば、生き残れる。
だが逃げれば、また自分を嫌いになる。
力も覚悟も足りないと分かっていながら、ロックは初めて、自分の意志で危険な選択をする。
これは、最強主人公の物語ではない。
生きるのが下手な男が、それでも「逃げない生き方」を選ぼうとする、異世界霊能ファンタジー。
――この選択を境に、ロックの運命は大きく動き出す。
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