あらすじ

世界を滅ぼす厄災は宝石の樹海へと変貌し、祓われた。 だが、その代償はあまりに大きかった。 救世の巡礼聖女レナータは、世界を浄化する奇跡(宝石化の魔法)を行使する代償として自らの存在を捧げ、『時間の逆行』を受けいれる。 彼女は伴侶にして唯一の従者である古代魔導人形レティシアに、ある残酷な命令を下す。 「私が赤ん坊になったら、誓言を紡ぐ喉を潰して、殺しなさい」 それは、世界の安寧を守るための最後の処理であり、愛する人形への遺言だった。 二十歳、少女、そして赤子へ――。 記憶と自我を失いながら存在消滅へと向かう彼女を連れ、レティシアは旅に出る。 愛の証でもあるボロボロの宝石継ぎの身体を引きずり、主の未来を動力源として喰らいながら。 それはレナータを殺すための、あるいは救うための旅だった。 立ちはだかるのは、世界を管理する六柱の一角、秩序を絶対とする白亜の大聖堂。 これに使役される、最強の騎士オルドリア。 そして何より、無邪気な残酷さで心を抉るレナータの幼児化。 「愛してる」という言葉さえ忘却の彼方へ消え、ただの無力な子供へと戻っていく主を抱え、レティシアは伝説の深海図書館を目指す。 かつてレナータが告げたその場所に、彼女を救う術が眠っていると信じて。 棄民の村に遺された優しき聖女の足跡と、世界に蔓延る絶望を乗り越える。 二人の理想の極致、封印姫アドラと、彼女の夢の管理人リネアとの出会いがもたらす希望と覚悟。 オルドリアとの対決を通じ、自身の存在を証明するレティシア。 言葉を失い、記憶を失い、ついにレナータが赤子となったその時。 世界を救った聖女が自らに託した、たった一つの願いの真実が明らかになる。 『レティを泣かせないこと。愛してると言いなさい』 かつて世界を救った誓いの力を糧に二人は新たな命として、宝石の繭の中で再誕する。 これはボロボロの殺戮人形と消えゆく聖女が織りなす、儚く切実な、終わりの後の変わりゆく愛の旅路。

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カクヨム
カクヨム2025/12/22
  • 現在の作品宝石継ぎのレティシア ~聖女の遺言と、宝石花のゆりかご~