あらすじ

深夜、残業を終えた主人公が乗り込むオフィスビルのエレベーターは、なぜか毎晩、誰もいない「三階」で止まる。空きフロアのはずのその階から流れ込む冷たい空気、聞こえるはずのない足音、そして暗闇の奥に現れる“人影”。やがて主人公は背後にその存在を感じ、恐怖の中で逃げ出す。翌朝見上げた三階の窓には、ゆっくりと手を振る影――。それ以来、彼はもうエレベーターに乗ることができなくなってしまう。  ところが別の夜、同じ状況がまるで違う形で繰り返される。今度の主人公は同じく深夜残業帰りだが、「三階で止まる」出来事を恐れるどころか、楽しみ始める。誰もいない廊下に向かって「幽霊さん」と呼びかけ、冗談交じりの独り言を続けるうち、その不思議な時間が心の癒やしになっていく。やがてエレベーターの誤作動が直り、三階で止まらなくなった夜、彼は静かに「ありがとう、幽霊さん」と手を振る。

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エブリスタ2025/12/22
  • 現在の作品誰も乗らないエレベーター