あらすじ

世界は、腐ったビニールの膜に覆われている。 誰かの吐息を再利用したような風が吹き、アスファルトが死体のように横たわる街。 「あたしなんて、透明なゴミと同じだ」 自分の魂の輪郭を紙ヤスリで削り落とすように、謝罪を繰り返して生きる少女、ゆりえ。 彼女はまだ、自分が何者であるかも、何を抱えているかも知らない。 そんな彼女の前に現れたのは、鼻ちょうちんを膨らませて、ただ「半歩前」を歩き続けるフレンチブルドッグのメルミでした。 導かれるままに足を踏み入れたのは、一瞬ごとに「世界の理(ことわり)」が組み換わっていく、色彩の不条理な地平。 昨日までの常識が通用しないその場所で、ゆりえは世の中の正解を捨て、自分が主観で選んだ「役に立たないが、綺麗なもの」だけをがま口に集めていきます。 ──これは、何も持たない「愚者」が、自身の足で世界をがむしゃらに走り続ける旅路。 「1秒前の自分は、今のあなたとは別人」 過去の後悔も、誰かの期待も、すべてを一度がま口に預けて。 何も知らない少女が、自分自身の「世界」と出会うその時まで。 メルミの半歩後ろで、物語は続いていく。

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小説を読もう2025/12/22
  • 現在の作品半歩前のメルミと、ゆりえのがま口