あらすじ
私の名前はジグムント・フロイト。歴史に名を残す、有名な心理学者だ。
だが、それは世を忍ぶ仮の姿に過ぎない。本当の私は『地獄の公爵』。言うなれば大悪魔だ。
そんな私たち悪魔は、現在危機に瀕している。近頃は『エクソシスト』なる奴らが活動を続け、人間に憑依している同胞たちを退治して回っているらしい。
どうすれば、この事態を変えられるか?
そこで、私は発見した。この『心理学』というものを!
「悪魔なんて妄想の産物です。悪魔祓いなんかやめて病院へ行きましょう!」
こういう考えを浸透させ、エクソシストどもの仕事をなくす。そして「賢い悪魔」は自分が妄想の産物だった振りをして、安全にこの地上で根を張り続ける。
心理学。この時代の人間にとっては『未知』なもの。どれだけ適当なことを言っても、疑われる心配もない。
あまりにも完璧な計画。私は自分の知性が恐ろしい。
だが、ある時に事件が起きた。「カール」という名前の十五歳の少年。そいつがエクソシストに払われそうになったので助けに行こうと向かったのだが……。
こいつ、いい加減にしろ! 天井に張り付いたり首を一八〇度回転させたり、必死に『心理学』で説明を付けようとする私の身にもなれというんだ!
そうする内に、だんだん私も窮地に。もしかして、私も悪魔とばれそうになっている?