あらすじ
スラムで名前もなく、母親と物乞いをしていた少年は、ある日、心優しき冒険者から宝を貰い受ける。
二人で喜んでいたのも束の間――。
換金した際、想像以上の金額に目が眩んだ母親は、一人宝を持ち逃げしてしまう。少年は若く恨みを知らなかった。ただ、母に捨てられたということは理解していたため探そうとしなかった。
すべてを失い、どん底を知った少年。
――しかし、宝を譲ってくれた者が冒険者ということを思い出す。
一縷の望みに賭け、少年は母親のようにスラムを抜け出し、母親とは違い自分の意思を、希望をはっきりと持って冒険者ギルドに足を運んだ。
そこで少年が獲得したのは、英雄の記憶、《世界樹の記録》。それは、かつて命を賭して世界樹を守り抜いた一人の英雄の記憶が宿した“スキル”
その記録を手にした少年はやがて世界の命運を揺るがすことになる。
――何者でもない存在が、世界を救う‘‘英雄’’になることは、この時まだ誰にも分からない