あらすじ
幼い頃、酒に溺れる父から凄惨な虐待を受け続けた恭一。
母を早くに失った父の暴力は日々エスカレートし、心に深い傷を刻んだ。児童相談所に保護され、施設や養子先を転々とする中、人を信じること、愛されることを恐れるようになった恭一は、普通の幸せにすら怯える。
大学で出会った雪もまた、兄との過剰な共依存と苛烈ないじめによるトラウマを抱えていた。二人は互いの傷を舐め合うように惹かれ合い、震えながらも愛を育む。しかし過去の影は消えず、信じることの恐怖が何度も二人を試す。
愛されなかった子供たちが、それでも「幸せになるために生まれた」と信じて手を繋ぐ、切なくも温かな再生の物語。