あらすじ
目を覚ました少女は、自分が転生した先を理解してしまう。
そこは、最近流行している「悪役令嬢に転生する小説」の世界。
しかも彼女は、物語の中で“性格最悪の悪役聖女”として描かれる存在――
聖女シエル・エヴァリスだった。
十五歳で神殿に迎えられ、正式な聖女認定の儀を受けることになったシエル。
本来なら人を陥れ、主人公を追い詰める役割を担うはずだが、
中身はめんどくさがりで、争いを好まない少女にすぎない。
「悪役にならず、静かに過ごそう」
そう決めたシエルだったが、
儀式の場で神殿を信用しない大公 カイエル・フォン・ルーヴェン と出会い、
さらに迷子になった先で第一王子と顔を合わせるなど、
望まぬ形で注目を集めてしまう。
そして神殿は、聖女を守るという名目で
カイエルを“護衛(監視)役”としてシエルのそばに置くことを決める。
神殿の重圧、監視付きの日常、
そして聖女として始まったばかりの生活。
――まだ、誰も傷つけていない。
――まだ、悪役にはなっていない。
これは、
悪役になるはずだった聖女が、
そうならないために静かに歩き始めた一日の物語。