あらすじ

大正時代、病弱な少女・千代子は部屋から出られない孤独の中で、市松人形を唯一の友として与えられる。  彼女はその人形を「キヨ」と名づけ、友達として、やがては姉妹のように語りかけ続ける。人形は言葉を返さぬまま、千代子の苦しみと死への恐怖をすべて受け止めていった。  千代子の死後、四十九日を境に人形に異変が起こり、家では怪奇現象が続発する。恐怖した家族は寺へ人形を預けるが、そこでも不可解な出来事が相次ぎ、やがて人形の記録は闇に消える。  時は令和。  その市松人形は「最恐の呪物」としてインターネットの闇サイトに出品され、呪物収集家の手に渡る。夜ごと人形から少女の声で名前を呼ばれるようになった収集家は、霊能力者・間宮響子に助けを求める。  間宮は人形が単なる憑依物ではなく、千代子という存在が未完のまま“続いてしまった呪物”であることを見抜く。  人形は誰かを呪うためではなく、自分の代わりに“中へ入る存在”を求めていた。  間宮は人形を破壊も浄化もせず、名前を呼ばせない封印を選ぶが、呪いは完全には消えない。

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カクヨム
カクヨム2025/12/21
  • 現在の作品大正呪物市松人形-間宮響子-