あらすじ
文字や契約文が世界を支える社会で、孤児院育ちの少年コーデは「古文書修復係」として働いている。
破れた紙を繕い、ずれた文字を整える――それだけの、地味な仕事だ。
契約文を放置すると国が滅びるという伝承はあるが、誰も本気にはしていない。
コーデ自身も、自分が特別だとは思っていなかった。
ただ読みづらいから直す。落ち着かない並びを整える。
それだけで、なぜか祝福は戻り、現実が少しずつ変わっていく。
やがて彼は、呪文や契約に頼らない“本来の魔法”の使い手だと知らぬまま、魔法の世界の深部へ踏み込んでいく。
これは、文字を直すだけの少年が、静かに世界をなおしていく物語。