あらすじ
目覚めた場所は棺の中。名前以外の記憶を失った青年アレグは、静寂に沈む森でゾンビに襲われ、素手で胸を貫いて殺してしまう。そのとき恐怖より先に胸に広がったのは、不自然なほどの静けさ。自分が『人間ではないのでは』という疑念だった。
やがて彼はとある姉妹と出会い、人類最後の安寧と呼ばれる国で保護される。その国はゾンビによって日常が脅かされた、混沌とした世界だった。
失くした記憶の奥では、誰かの声だけが微かに揺れている。「幸せになってほしい」。悲しみとも祈りともつかない、そんな想いが。
自分は誰なのか。なぜ棺で眠っていたのか。そして、なぜ『生きている』のか。
彼は答えを求め歩き出す。それが、世界を揺るがす真実へと繋がっているとも知らずに――。