あらすじ
白い壁に囲まれた閉鎖世界〈マーセレス〉。
そこでは人の感情が数値で管理され、
「幸せであること」だけが正解とされていた。
疑問を持つこと。
悲しみ続けること。
立ち止まること。
それらはすべて、この世界では許されない。
少年レイと少女ナギは、日常の中に広がる違和感を、言葉にできずに抱えていた。
なぜ“そら”を見上げてはいけないのか。
なぜ“そと”の話題になると、大人たちは黙るのか。
なぜ“幸せ”は、測られなければならないのか。
答えのない問いだけが、胸に積もっていく。
それでも、この世界の“そと”側を想像することだけは、やめられなかった。
これは閉ざされた世界で、
「まだ知らない何か」を求めた子どもたちの物語。
選択の先に何が待っているのかは、まだ誰にもわからない。