あらすじ
アストラル王国には、
「女児は誕生と同時に命を奪われる」
「王妃は男子を一人産めば廃妃となる」
──そんな血に濡れた掟が存在する。
第六王妃リュミエルは、最初に生んだ娘を奪われ、
次に授かった双子のうち、
弟リアンをも“掟”によって失う運命にあった。
しかし、泣き声もまだ弱いその小さな胸から、
青白い光がふっと揺らめいた。
その瞬間、王の脳裏に蘇る古い予言。
『青白い光は、王家を滅ぼす影となる』
恐れを抱いた王は、密かに命じる。
「リアンを王宮から遠ざけよ。
アルシェ家の子として育てろ」と。
──そして十七年後。
名門アルシェ家で育った少年リアンは、
静かで、強く、そして誰より優しい。
その青い瞳の奥に眠る力も、
自分の出生に隠された“真実”も知らないまま。
彼はまだ気づいていない。
自分こそが、予言に記された“禁忌の王子”であることを。
そんな少年の前に、ある日、淡い光をまとう少女が現れる。
精霊王の血を引く少女、ティアラ。
彼女との出会いは、
封じられていた運命の扉を、静かに、しかし確実に開いていく。
冷酷な王国の闇。
滅びを告げる予言。
覆された運命と交差する二つの血。
禁忌の王子と精霊の少女。
ふたりが出会った瞬間、王国の運命は大きく動き始める。