あらすじ
「声も出せず、顔に醜いアザを持つお前を、俺以外に誰が愛してくれるって言うんだ?」
商家から爵位を買った新興貴族の男爵令嬢アリアーナは、幼い頃に呪われ、声と美貌を失った。
そんな彼女を「救った」のは、若き伯爵令息、エドモンド・グレイヴズだった。
彼はアリアーナの実家から溢れ出す富を食いつぶしながら、彼女を「沈黙する便利な金庫」として利用していた。
呪いによって話す事の出来ないアリアーナは、「物言わぬ人形」として耐えながらも、決して諦めはしなかった。
そして、アリアーナが十六となった年に行われたデビュタントで、運命が激変する。
現れたのは、六年前に姿を消したと言われたヴォルド・バレンシュタイン侯爵令息だった。
彼は衆人環視の中、迷わずアリアーナの元へ歩み寄り、その手に触れた。
「もう、苦しむ必要はない」
彼が呪いを解いた瞬間、アリアーナの顔からアザが消え、声が出るようになった。
そして、アリアーナはヴォルドの協力を得ながら、エドモンドにとある証拠を突きつけるのだった。