あらすじ
貴族の青年ルヴェーグは、
“抵抗力そのもの”を奪う手枷を嵌められ、闇の市場へ落とされた。
そして彼を売ったのは、仕えていた少年フィサ——
家族を救うため、稚拙な嘘を信じ込まされていたのだ。
裏社会に潜む罠、売買される命。
主を裏切った現実に震える少年と、
なおも少年の名を呼ぶ青年。
優しさが罪に変わる世界で、
二人が選ぶのは“裏切り”か“赦し”か。
交錯する主従の心が紡ぐ、救済の物語。
主な登場人物
フィサ
純朴で優しく、少し騙されやすい少年。
家族のために、主であるルヴェーグを“売ってしまう”。
涙もろく、情が深いが、その心は誰よりも真っ直ぐ。
ルヴェーグ・エプシアール(レーベ)
名門エプシアール家の青年。
高い魔力と気品を持ちながら、フィサにはいつも柔らかい。
裏切られてなお彼を責めず、ただ守りたいと思っている。
シグマ
エプシアール家の執事。
穏やかな口調と完璧な所作の裏に、冷徹で底の知れない本性を隠している。
ルヴェーグの依頼で密かに動き、フィサの涙にはほんの少しだけ弱い。