あらすじ
2年前‥私が中学で死んだはずの母が、11歳の美少女『エマ』として異世界転生し、私を迎えに来た。
滋賀県立膳所(ぜぜ)高校に通う私、松本ほのか(16)の、高校生活最初の夏休みは、キラキラした異世界旅行……になるはずだった⋯
しかし、蓋を開ければ待っていたのは、廃墟となった領地の復興作業に、終わらない家事手伝い。
ブチ切れた私は、借宿を飛び出した。
異世界では、言葉は通じない。メニューも読めない。スマホは圏外。
頼りになるのは、私の適応能力、そして尽きることのない食欲のみ。
時間や学校の校則、そして元・オカンの小言にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、私は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気を使わず物を食べるという孤高の行為。
この行為こそが、異世界に放り出された現代っ子に平等に与えられた、最高の癒やしと言えるのである。
これは、母が「異世界で天下をとる」と息巻いている裏で、路地裏のゲテモノから王都の絶品スイーツまでを食べ尽くす、女子高生ひと夏のハードボイルド(?)グルメ譚。
「さあ、店を探そう。私の胃袋は今、猛烈に異世界を欲している」