あらすじ
音楽が、特別な力を持つ世界。
しかしその力は、誰かを救う代わりに、
必ず何かを削り取る。
音を失った少女は、
声を持つ不思議な楽器と出会う。
それは導きであり、誘惑であり、
そして――選択を迫る存在だった。
彼女が奏でる音は、人を癒し、
争いを鎮め、世界を動かしていく。
けれど、救われたはずの場所には、
いつも言葉にならない違和感が残った。
音は本当に、善なのか。
弾くことをやめれば、
何かは守れるのか。
答えの出ない問いを抱えたまま、
少女は今日も弓を取る。
返事が返ってこなくなるその日まで。