あらすじ
魔素、それは魔力の根源。
そこは遍(あまね)く魔素の揺蕩(たゆた)う世界。
魔物や魔石、そして、魔法の存在する世界。
人は時に命を懸けて魔物と闘う。魔石は倒した魔物から得られる勝者への褒美。
その表面に虹色の紋様が妖しく揺らめく、何とも不思議な石。
偶然の巡り合わせにより、魔物の棲み家である魔の森の中に造られた開拓村。
そこは、他所とは一線を画す濃厚な魔素の漂う場所だった。その村で生まれ育った
レオは、魔物同様に魔力持ちとなり、やがて魔力による身体強化に目覚める。
人が暮らす普通の街とは桁違いに濃厚な魔素が漂う村で、レオは世の魔導師たちが
想像すら出来ない速さで己の魔力を増大させてゆく。しかし、濃厚な魔素とは裏腹に
文明の恩恵が最も希薄な辺境の村には、魔法の知識など皆無であった。
他者の遠く及ばぬ、文字どおり人外の魔力を体内に宿しながら、魔法を使えぬ歪な
存在となったレオ。それでも己に降りかかる理不尽に抗い、必死に足掻き続ける。
やがて放浪の果て、とある魔導師との邂逅はレオに・・・
レオの生きる世界は魔物が咆吼し、王侯貴族が支配する “力こそ正義” の世界。
そして、不条理の世界。その長き停滞の時代、レオの活躍はやがて彼の意志を越え、
彼の起こした波紋は、いつしか世界の隅々へと拡がって行くのだった。
それは時に、魔石が浮かべる妖しくも美しい紋様のように。