あらすじ
国境の戦場で、生き残ったのは――私ひとりだった。
瓦礫の下で耳に入ってきたのは、助けを求める声じゃない。死んだ兵たちの最後の言葉――エコーだった。
敵国の若き将軍レオニスは、死体の山から這い出した私を拾い上げ、冷たく言い放つ。
「その耳が本物なら、戦後処理に使える。――生きたいなら、働け」
こうして私は、戦争の後始末を担う「戦後管理局」の調査官として、遺品整理、行方不明者捜索、捕虜交換の裏に潜む真実を拾い集めることになる。
それは、誰も触れたがらない死者の尊厳を守る孤独な仕事。
だが、冷徹だと思っていた将軍が、私にだけ見せる疲れた横顔と不器用な優しさが、凍てついた心を溶かしていく。
「我慢は美徳」という呪いを壊し、失われた未来を自分の手で選び直すために。
死者の声は、絶望ではなく、明日を生きるための地図になる。
戦後の冷たい世界を、人の体温で塗り替えていく――再生とロマンスの戦記。