あらすじ
聖夜祭が近づく冬の街。
人々に笑顔を届ける小さなおもちゃ屋には、「見たことのないおもちゃ」を求めて連日客が訪れていた。
店を切り盛りするのは、姉のタクロと妹のロース。
二人は慎ましくも、子供たちの笑顔を何より大切にしながら暮らしていた。
やがて、おもちゃの評判は貴族ヒクネトの耳に届く。
聖夜の朝、彼の屋敷の靴下に入っていた“ありえないはずのおもちゃ”をきっかけに、ロースは禁忌の魔法を使う魔女として告発されてしまう。
逃亡の中で明かされる真実。
ロースは密かに魔法を使い、トナカイと共に夜空を駆けながら、子供たちにおもちゃを配る「サンタクロース」を演じていたのだった。
引き裂かれる姉妹。
捕らえられるタクロ。
そして、聖夜祭の朝に訪れる取り返しのつかない結末。
すべてを失った後、タクロは選ぶ。
真実ではなく、子供たちの心を守るための物語を。
これは、
一人の魔女と、
その姉が紡いだ、
聖夜の裏側に隠された、静かな悲劇の物語。