あらすじ

「貴女の仕事は二つ。公爵令嬢マリア様の身代わりになること。そして夜は――私の『玩具(おもちゃ)』になることよ」
 目の前で不敵に微笑む美女、ローズマリー様がそう告げた瞬間、私の人生は決まった。  ……あ、申し遅れました。私、アリア・ベルンシュタインといいます。一応、子爵家の令嬢です。  でも実情は、借金まみれの極貧生活。両親は蒸発、残されたのはボケた元剣聖のお爺ちゃんと、山のような請求書だけ。  学費を稼ぐために日夜「鉄喰い熊」を素手で殴り倒すバイトに明け暮れていたけれど、稼ぎは全部税金で消える日々……。そんな私の夢は、温かいスープをお腹いっぱい飲むことでした。
 そんなある日、「高額報酬の住み込みメイド」なんていう甘い言葉に釣られたのが運の尽き。  連れて行かれた怪しげな屋敷で待っていたのは、魔道具による拘束と、仮面の男による屈辱的な尋問でした。  普通なら泣き叫ぶところでしょう。でも、不思議なんです。責めと恐怖の中で、身体の奥が熱くなるというか……これ、もしかして才能?
 そんな私の変態……いえ、隠された素質を見抜いて私を買ったのが、冒頭のご主人様・ローズマリー様でした。  表向きは公爵令嬢付きの有能メイド長。でもその正体は、公爵家を裏で牛耳り、産業革命でこの国を強国へと変えようとする天才策士(兼ドS)。  彼女が私に提示した条件はシンプル。  私が病弱な公爵令嬢「マリア」の影武者を務めることと、ローズマリー様のストレス発散の相手になるなら――莫大な借金をすべて肩代わりしてくれると!
「やります! やらせてください! なんなら靴もお舐めしましょうか!?」 「……調子に乗るんじゃないわ、この駄犬」
 こうして始まった、私の二重生活。  昼は、王立学園で「深窓の令嬢マリア」を熱演。……のはずが、襲い来る暗殺者や魔物をうっかり拳(物理)で返り討ちにしてしまい、なぜか学園のカリスマ扱い&王子様から求婚される始末。  そして夜は、ご主人様の「お仕置き」を受け止める忠実な「盾(サンドバッグ)」へ。
 正直、ご主人様は口も悪いし性格もキツイです。でも、私は知ってしまいました。  彼女が夜遅くまで、たった一人で国の未来を背負って戦っていることを。あんなに強いのに、誰よりも孤独なことを。
 だから、帝国との戦争が始まって、彼女が私を遠ざけようとしても、私は離れませんよ。  だって、契約したじゃないですか。
「勘違いしないで。貴女はただの所有物よ。勝手な行動は許さないわ」 「はい! 本日も誠心誠意、ご主人様の盾になります! ……ところで、戦場の残業代は出ますか?」
 金のためならプライドも捨てる貧乏令嬢(私)と、目的のためなら手段を選ばない冷徹ドSメイド(ご主人様)。  最強の主従が織りなす、革命と性癖の物語――これより開幕です!

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アルファポリス
アルファポリス2025/12/20
  • 現在の作品鉄の女と銀の犬。貧乏令嬢はドSメイドに飼われる。