あらすじ
「戦えないお前は、ただの重荷なんだよ」
勇者パーティの荷物持ちとして、10年間酷使されてきたカイル。彼は追放の際、自分が持っていた唯一のスキル『総量調整(インベントリ・バランス)』を解除する。
それは、彼がパーティ全員の「装備の重さ」や「空気の抵抗」を肩代わりし、ゼロにしていた魔法だった。
カイルが去った瞬間、元パーティは自分の鎧の重さに耐えきれず地面に沈み、歩くことすら不可能になる。
一方でカイルは、自分に溜め込んだ「数トン分の質量」を攻撃へと転用する術に気づく。
「これ、ただの石ころを投げても隕石並みの威力になるんじゃ……?」
無自覚な重力操作で、カイルは前人未到の空中ダンジョンを攻略。
現代知識の「物理法則」を魔法に応用し、快適な空中浮遊都市を築き上げるカイルの元に、世界の聖女や姫たちが「安全な場所」を求めて押し寄せる。
その頃、地面を這いずり回りながら、かつての仲間たちが泣き叫ぶ。
「重い……助けてくれ、カイル……!」
「悪いな、俺のインベントリはもう、可愛い女の子たちの荷物でいっぱいなんだ」