あらすじ
これは、普通の連載小説です。
少なくとも、最初はそう見えます。
主人公は、役所から回ってきた「廃棄予定の記録」を読むだけの男。
そこに書かれているのは、会議の記録や出来事の羅列。
誰かが間違えたわけでも、事件が起きたわけでもありません。
ただ一つだけ、奇妙な点があります。
この記録には、「何も起こらなかった瞬間」が、わざわざ書き残されているのです。
そして、物語が進むにつれて、読者は気づき始めます。
この小説は、登場人物だけを描いているのではない。
読んでいる“自分自身の選択”も、静かに記録しているのだと。
コメントするか、しないか。
星を押すか、黙って閉じるか。
そのすべてが、物語の外にあるはずなのに――。
この物語は、
最後まで何もしなかった人のために、書かれています。