あらすじ
鎌倉幕府を築く目前、源頼朝は運命に導かれ、時を越えて戦国末期へと転移する。
彼を迎えたのは、武士たちの終焉を迎えんとする乱世。そして、未来より遣わされた謎の女将・トモミク。
かつて覇道に生きた男は、この時代で「誰も滅ぼさずに天下を鎮める」という理想に目覚める。
信長、家康、義経――歴史に名を遺す英傑たちが、頼朝を中心に交錯してゆく。
頼朝は、戦国の只中で理想と現実のはざまにもがきながら、命の灯が尽きるその時まで歩みを止めない。
義経は、過去の記憶に揺れながらも、兄頼朝の志に己を重ねてゆく。
信長と家康は、なお頼朝の真意を知らぬまま、時代のうねりの中で己の戦いを貫く。
そしてすべてを俯瞰するように、静かに戦いの行方を見守り続ける出雲阿国――。
これは、「時」を背負った男と女が、戦と赦しの果てに辿り着く、もうひとつの日本史。
血と涙、愛と祈りが交錯する、魂の記録である。
安寧とは、誰のために、何のためにあるのか――
戦国を再定義する、儚くも力強い戦記絵巻。