あらすじ
「この世界の理は、全て嘘(バグ)だ」
物理法則が根本からクラッシュした「大崩壊」から十数年。
人類は、現実というプログラムに新たな物理現象を書き加える超常能力『追記(アペンド)』を手にし、歪んだ日常を生き抜いていた。
主人公、九条 漣(クジョウ・レン)は世界を壊した元凶とされる九条 弦博士の息子として、全人類から忌み嫌われる「大罪人の血」を背負っていた。
誰にも心を開かず、路地裏の「解析屋」として日々を凌ぐ彼の手元には父が遺した唯一の形見、一度も起動したことのない解析端末『エイジャス』があった。
しかし、ある出来事がその沈黙を破る。
「システム、リブート」
覚醒したデバイスが映し出したのは、世界の綻びと死んだはずの父からのメッセージだった。
「真実は、七つの棄界(ヴォイド)に隠した」
父の遺言に導かれ、漣は「遅延実行(ラグ・コマンド)」という不遇の能力を武器に、禁止区域である絶対死の領域『棄界』へと足を踏み入れる。
それは政府が隠蔽し続けてきた「世界の嘘(バグ)」を暴き、狂った物理法則をデバッグするための反逆の始まりだった。
「待っててよ、父さん。必ずその汚名を拭ってやるから」