あらすじ
『友達に戻ろう』
恋人として付き合い始めて丁度一週間が経ったその日、そんな短いメールが咲彩の元に届いた。
失恋したのだろうか、と胸の痛みを感じない咲彩は他人事のように不思議に思い、軽い気分転換のつもりで違う帰り道を選ぶ。
その道で偶然、綺麗な瞳を持った“彼”に出会う。
優しすぎる“彼”に、咲彩は思わず“あの子”との間にあったことを話してしまう。“彼”のある言葉に息が苦しくなり、咲彩はしがみつくように“彼”に抱きついた。
その日からほとんど毎日、咲彩は“彼”と一緒に自分の気持ちを確かめ、互いの不安を掻き消すように抱きしめ合っていた。
そうして大体一年の月日が経ったある日。咲彩はいつものように、“彼”に弱さを見せ、不安げに話を始める。
“あの子”が転入してきた、と。
つまらなくも平和な日常のなかで、大人になりきれない子どもの咲彩は、“あの子”と自分自身と、そして“彼”とも向き合い、ほんの少しずつ変わっていく。