あらすじ
「ラルティ様、大変です!」
朝食の席で侍女のシシリーが、青い顔で駆け込んできた。
「どうしたの、シシリー?そんなに慌てて」
紅茶を一口飲みながらできるだけ冷静に尋ねた。婚約者のダキース王子が浮気した、なんて報告だったら、今すぐこのティーカップを叩き割ってやる。
「ダキース王子が……学園で、新しい恋人を見つけられたそうです!」
やっぱり。予想はいつも当たるんだから。
「ふうん、そう」
特に驚いた様子も見せずに答えた。だって、知ってたもん。最近、ダキースがやけにそわそわしているとは思っていたのよ。学園の創立記念パーティーの後から、様子がおかしかった。
「ラルティ様、そんなに落ち着いていらっしゃって……皆、ラルティ様がとてもお気の毒だと……!」
シシリーは心配そうな顔で私を見つめてくる。気の毒?
ふざけないで。こっちは内心、ざまあみろって思ってるんだから。