あらすじ
閉館後の図書館裏にある「夜間返却口」。文芸部の先輩・佐伯に頼まれ、主人公の千紘は今夜中に返さなければならない本の返却に付き添う。返却口に本を差し込んだ瞬間、闇の中から紙の指と目のない白い顔が現れ、「返却」を催促するように先輩の腕へ絡みつく。辛うじて本を押し込み、怪異は引き下がった――かに見えたが、先輩の家系では「期限内に返す」ことで助かる代わりに、次の誰かが借りるという連鎖が続いていた。先輩から渡された貸出カードには、千紘の名と「返却期限:本日23:59」。すでに期限は過ぎ、闇の中から無数の足音と紙の擦れる音が迫ってくる。