あらすじ

太陽が沈みきった午後7時、専門家・久能は「幽霊が出る」古い屋敷に到着した。依頼人の女性はひどくやつれており、亡き夫の姿が毎晩出る二階の書斎を指さす。久能は「あれはあなたの夫ではない。未練のある立派な魂なんてものじゃない」と無愛想に言い放ち、重たいジュラルミンケースを開いた。 ケースの中には、高感度サーモグラフィーカメラ、強力なUVライト、そして特殊な薬剤が入った噴霧器が入っている。書斎の照明を消し、手元のモニターを確認した久能は、肉眼では見えないはずの光景に目を凝らす。空中に無数に漂い、意思を持って対流し渦を巻く、微細な発光体。 「すごい数だな……。『感応性擬態粘菌』のコロニーだ」 久能の呟きが、世間で「幽霊」と呼ばれるものの正体を明らかにする。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/12/19
  • 現在の作品残響のコロニー