あらすじ
「俺の夢は、国家予算を横領して海外へ高飛びし、優雅な引退生活を送ることだ!」
腐敗したノマルーク皇国の若き財務官僚、シン・アベリオス。
彼は国家の「予備費」を自身の「逃亡資金」とするため、裏帳簿作りに励んでいた。
ある日、証拠隠滅のために行った資金移動が、偶然にも大火災から下町を救ってしまう。
「あの方は、私財を投げ打って民を救った聖人だ!」
「違う! 俺の老後資金が消えただけだ!」
さらに、経費削減のために導入した安物の軍靴は「兵士への慈愛」と勘違いされ、
自分だけ助かるために行ったパンデミック対策(自宅の要塞化)は「神懸かり的な防疫指導」と崇められる始末。
優秀すぎる(けど勘違いの激しい)部下と、チョロい幼女皇帝、そして狂信的な貴族令嬢に囲まれ、シンの評価はうなぎ登り。
逃げようとすればするほど出世し、欲望をむき出しにするほど「無欲な英雄」として祭り上げられていく。
「やめろ! 俺を昇進させるな! 俺はただの悪徳官僚なんだぁぁぁ!」
これは、稀代の小物が、本人の意思とは裏腹に「憲政の父」へと駆け上がってしまう、奇跡と爆笑の勘違いサクセスストーリー。