あらすじ
同じ夜に、ふたりの人生は奪われた。
帰宅途中だった間宮隼斗は、通り魔に襲われ意識不明の重体となる。
一方、都内の住宅街で暮らす三浦ひよりもまた、自宅で事件に巻き込まれ、消息を絶った。
病院で目を覚ましたひよりは、自分の名前を呼ばれない違和感に戸惑う。
周囲は彼女を「志水澄子」と呼び、
その身体は、確かにひよりのものではなかった。
やがて彼女の前に現れたのは、
肉体を失い、幽体となった間宮隼斗だった——
奪われた身体と、失われた時間。
元の人生を取り戻すため、協力関係を結ぶふたり。
触れられない距離で芽生える感情。
他人の身体で生きる罪悪感。
そして、限られた時間のなかで迫られる、たった一度の選択。
これは、魂が入れ替わる物語ではない。
選べなかった出来事の先で、
それでもどう生きるかを選び直す物語。
命は——迷いながら正解に辿り着く。