あらすじ

スーパー金持ちマンは、飛べない・戦えない・そして“普通”が少し苦手な青年が、現代社会でいちばん強い力――お金――で人を救おうとする、笑って少し泣けるヒーロー譚です。主人公・星野透(28)は、つくばの片隅にある「毎日地球新聞配達店」で働く近眼の青年。短い言葉、決まった手順、同じ時間。同じことを繰り返す新聞配達の仕事は、透の心を静かに整えてくれます。 けれど透には秘密があります。幼い頃、店先に赤ん坊の自分と一緒に置かれていた“金ピカのスーツ”。それを着ると、なぜかパンツの中に必要な額の現金が湧いてくるのです。ただし、その力は万能ではありません。自分のためには出ない。欲しいと思っても出ない。悪に払う金も出ない。困っている人を救うために“必要な分だけ”が、場の空気で決まって湧く。そして羞恥に負けると、渡す前に清算されて消えてしまう――名乗るのに呼ばせない「その名で呼ぶな」という決めゼリフと共に、透は今日も金ピカの羞恥と向き合います。 風船が買えない子ども、いじめで傷つく小さな背中、悪徳金融に追い詰められる町工場。透は「身銭は切らない」という自分ルールを守りながら、金の力だけでなく、手順と理屈と誠実さで、目の前の“詰み”をほどいていきます。派手さはないのに温かい。ばかばかしいのに胸に残る。曇り空の安心と、晴れの日の地獄みたいな羞恥のあいだで、それでも誰かを見捨てられない男の物語です。

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カクヨム
カクヨム2025/12/17
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