あらすじ

巨大ターミナル駅の地下三階。そこは、都市が吐き出した膨大な「忘れ物」が最後に辿り着く墓場だった。 希望の花形部署を外れ、遺失物センターに配属された新入社員の湊(みなと)は、来る日も来る日も主のない傘や手袋を分類するだけの単調な日々に、自身の存在意義を見失いかけていた。 そんなある日、網棚に残されていたのは、白木の箱に入った一つきの「骨壺」だった。 規則通り警察へ届けようとする湊を、定年再雇用の寡黙な男・六車(むぐるま)が静かに制する。 「これは忘れ物じゃない。背負いきれずに、置いていったのだ」 持ち主を探すため、二人は街へと繰り出す。そこで湊が目にしたのは、効率優先の社会の隙間で、何かを捨て、傷つきながらも懸命に息をする人々の姿だった。 人生において、本当に大切なものは何なのか。 行き場を失った「生」の破片を拾い集める、慟哭と再生の人間ドラマ。

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小説を読もう2025/12/17
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