あらすじ
元雑誌ライターの伊藤真琴は、異世界に転生して三年。今は王都新聞の記者として働いている。
ある日、編集長から「転生者成功体験談」の連載企画を任される。この世界で転生者は珍しい存在だ。噂程度には知られているが、実際に名乗り出る者はほとんどいない。
真琴は苦労して三人の「成功した転生者」を探し出し、取材を始めた。
商会を興して大成功した元営業マン。 魔王討伐にも参加したAランク冒険者の元ゲーマー。 貴族の夫人として優雅に暮らす元派遣社員。
三人とも、傍から見れば華やかな成功者だ。 しかしインタビューを進めるうち、真琴は気づいてしまう。
三人とも、同じ孤独を抱えていた。
この世界に、自分のことを本当に理解してくれる人がいない。 前の世界の話をしても、誰にも分かってもらえない。 だから、本当の自分を隠して生きている。
その孤独は、真琴自身もよく知っていた。
「成功体験談」を書くことはできる。でも、それでいいのか? この三人が本当に必要としているのは、記事に載ることじゃない。
真琴は、ある行動に出る。
孤独を抱えて生きてきた転生者たちが、初めて出会う日。 そこから生まれるのは、記事よりも大切なもの――。
少し笑えて、少し胸が温かくなる、異世界転生者たちの物語。