あらすじ
高校生の宮内蓮はかつて『物語の主人公』に憧れていた。
しかし過去の出来事をきっかけにその憧れを捨て、あらゆることを諦めてしまっていた。
周囲から評価も見向きもされず、自らを『透明人間』と皮肉りながらもそのことに納得し日々を生きている。
そんな彼の隣りには幼馴染の美しい少女、久世綾奈がいた。
周囲からの人気とは裏腹に愛想のなさを見せる彼女が自分にだけは昔から変わらず笑顔を向けてくれることに喜びを、そして救いを感じていた。
しかし、彼女と共にいたいと思いながらも、自分の存在が彼女の幸せの妨げになるという思いも抱えている。
「いつか別れる時が来る」それを感じながら今日も彼は彼女の部屋へと人工の光に照らされた夜の街を歩く。
人の価値とは? 存在する意味とは? 幸せとは?
青白い月が無感情に見下ろす街で語られる、不器用な少年少女の小さくて壮大な物語。