あらすじ

「英雄アルセイド・グランフェルの名において、ここに王都を、国家を、断罪する」 その一声が響いた瞬間、世界は静かに終わりを告げた。 かつて世界を救った英雄アルセイド。 人々に讃えられ、国の象徴となった男は、今やその国を焼き払う側にいた。 ――最愛の妻、エリーナを失ったからだ。 理想を掲げた国家の歪みと、偽りの平和の果てにあるものを知った彼は、全てに背を向けた。 戦場の果てで、かつての仲間たちの声も届かない。 唯一、彼の傍に残ったのは、側近セラただひとり。 心を閉ざし、怒りと虚無に突き動かされるまま滅ぼし終えたその日、アルセイドはふと笑う。 「もう一回、世界救ってやるかぁ」 手にしたのは、かつて彼自身が作り出した時を戻す魔導具。 後悔と喪失の果てに、彼は時間そのものに手を伸ばす。 もしやり直せるのなら、もう一度救いたい。 失ったものを、取り戻せるのなら。 だが、一度死ぬことが確定した人間は、根本的原因を排除しない限り未来は変わらない。 英雄が挑むのは、偶然の悲劇ではなく、必然に仕組まれた運命そのものだった。 こうして始まるのは、英雄の栄光でも、反逆者の末路でもない。 ――何度世界を繰り返しても、「彼女」を救おうとする、ひとりの男の物語。 運命を壊し、時間を超え、英雄は再び剣を取る。 その瞳に映るのは、絶望の続きか、それとも新たな希望か。

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小説を読もう2025/12/17
  • 現在の作品最愛の妻を殺されたので、国家を滅ぼしてから時間を巻き戻そうと思います