あらすじ
異世界に勇者として召喚された真壁聖人は、
三ヶ月の旅の末、ついに魔王城最奥へ辿り着く。
そこで待っていたのは――
「毒の魔王姫」と呼ばれる、ひとりの少女だった。
神から授かった神剣で彼女を斬った瞬間、
魔王姫にかけられていた“毒の呪い”は解け、
世界を脅かしていた魔王は消え去る。
――だが、魔王姫は生き残ってしまった。
「ありがとうございます。どうか、私と結婚してください」
討伐に失敗した勇者は、女神から元の世界への帰還を拒否され、
なぜか元・魔王姫に懐かれたまま、異世界で生きることになる。
さらに、魔王討伐に貢献した英雄として凱旋した王都では、
国と秩序を背負う王女から婚姻を迫られ――
個人を愛する魔王姫と、国を守る王女に挟まれる日々が始まった。
正しさを求める神々。
救いを必要とする世界。
そして、「誰かを切り捨てる選択」を拒み続ける勇者。
これは、
世界を救わなかった勇者と、
救われてしまった魔王姫の物語。
選ばないことは、逃げなのか。
それとも――
もうひとつの答えなのか。