あらすじ
マカロンを愛する不器用なおじさん、佐倉 恒一は、事故で命を落とし、剣も魔法もチート能力もないまま異世界に転生する。
辿り着いた辺境の町リュミエールでは、甘い菓子の文化がほとんど存在していなかった。
「マカロンが、ない」
その事実に静かに絶望しながらも、彼は決意する。
ないなら、自分で作るしかない、と。
材料不足、道具不足、技術不足。
失敗に次ぐ失敗を重ねながら、不器用な中年は少しずつ「この世界なりのマカロン」を形にしていく。
やがて彼の作る不格好で優しい甘さの菓子は、人々の心をほどいていく。
無愛想なおじさんは町に居場所を得て、甘いものを通して人とつながり、自分自身の人生とも向き合っていく。
これは、世界を救わない。
魔王も倒さない。
ただ、一つの菓子が、誰かの一日を少しだけ救う物語。