あらすじ
「君の引きこもり癖と対人恐怖症はもう治っただろう。だから勇者パーティを卒業だ、おめでとう!」
世界を救う勇者パーティ〈スターダスト〉の結界師ユートは、勇者ザスターの独断でパーティを追放――もとい、「卒業」させられた。ザスターは満面の笑みで告げる。「君を縛る村の掟なんて、僕が壊しておいたから安心して故郷に帰りなよ!」と。
それは、「善意」という名の大量虐殺だった。命綱である結界を壊された故郷は、猛毒に沈み、死に絶えていたのだ。
勇者ザスターは悪人ではない。だが、その底抜けの善意と無知は、魔王よりもたちが悪い「災害」そのものだったのだ。
すべてを失ったユートは、勇者一行の足跡を辿り、彼らが「良かれと思って」崩壊させた国々を修復する旅に出る。
光に弱い国に太陽を昇らせ、名前を隠す国で名札を配る――。 勇者が笑顔で撒き散らす地獄を、陰から結界術で書き換え、やがてその薄っぺらい正義を完膚なきまでに叩き潰す物語。
「待っていろザスター。お前が救ったつもりの世界は、俺が全部『なかったこと』にする」